
ギリシャ語で「風の娘」という意味の名をもつ、アネモネの花。風にのって種が旅していくことから、名づけられたと言われています。
さて、アネモネの美しさに惚れこんだある国の王様は、自分の国だけに咲くアネモネを作らせます。
ひとりでアネモネを独占していた王様。しかしある日、種が風にのって、となりの国まで飛んでいってしまいます。
それならば、種が落ちても花が咲かぬよう、「となりの国の地面をめちゃくちゃにしてしまおう」と、戦争をはじめることに、、、!
身勝手な王様のはじめた戦いに、とまどい葛藤する人々。その心の移ろいを、見事に描いた絵本です。
言葉の力と、1ページ1ページの絵の美しさに胸打たれます。今こそ読んでほしい、そして、いつまでも読んでいただきたい1冊です。