【収録作品】
「激励」渡辺京二
「伐採」伊藤比呂美
「黒い犬の話」ゆうた
「静かな夜」坂口恭平」
「日録⑦」石牟礼道子
「石牟礼さん日記によせて」梯久美子
「日記抄④」渡辺京二
「真夜中の公園で」水野小春
「冬の匂い」磯あけみ
「2人の時間」浪床敬子
「横に並ぶ」田尻久子
「新しい生活」吉本由美
表紙画 坂口恭平
今号の刊行を目前にしてに亡くなった、思想史家の渡辺京二さん。
本雑誌を起こした一人である渡辺さんが、刊行当初によせた「激励」の言葉からはじまります。
そして、熊本市の決めた520本の街路樹伐採に、深い愛をもって「じたばた」する、伊藤比呂美さんの「伐採」。
同性婚訴訟のという味気と人情を抜き取られたかのような場で、生身の人間としての心を揺らすゆうたさんの「黒い犬の話」…。
心のあるがままに感情を抱くひとびとの、しずかな叫び、ぜひご一読あれ。
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熊本の文芸誌「アルテリ」は、昨年12月に亡くなった思想史家・渡辺京二さんの呼びかけにより創刊。
田尻久子さんの営む橙書店が中心となり、現在も編集・出版をつづけています。
「アルテリ」には、ロシア語で「職人の自主的な共同組織」という意味があり、「ものを書くことでしか生きられない人たちをつなぎ、居場所をつくってやりたい」という渡辺さんの思いとともに始まりました。
これまでに関わってきた作家は、石牟礼道子、伊藤比呂美、坂口恭平。池澤夏樹や谷川俊太郎、町田康らも寄稿するなど、多彩な書き手に引きこまれます。