【収録作品】
「無題」(詩)石牟礼道子
「ことば」田尻久子
「サイ」川内倫子
「カリガリ物語③」磯あけみ
「この言葉は使わない」渡辺京二
「湿度」村上由起子
「ひっかききず」坂口恭平
「脳内オペラ山椒大夫」伊藤比呂美
「小骨」吉本由美
「ピッコロ」浪床敬子
「なだれるように」生田亜々子
「心」関敬
表紙絵 豊田直子
毎号テーマを設けていないアルテリ。
今号は偶然にも、「言葉」の質量を感じる一冊になっています。
言葉を記すこと、言葉を遺すこと、言葉を使うこと。言葉を使わないこと…。
本や雑誌にとっても不可欠な「言葉」だからこそ、あらためて見つめたくなります。
熊本の文芸誌「アルテリ」は、昨年12月に亡くなった思想史家・渡辺京二さんの呼びかけにより創刊。
田尻久子さんの営む橙書店が中心となり、現在も編集・出版をつづけています。
「アルテリ」には、ロシア語で「職人の自主的な共同組織」という意味があり、「ものを書くことでしか生きられない人たちをつなぎ、居場所をつくってやりたい」という渡辺さんの思いとともに始まりました。
これまでに関わってきた作家は、石牟礼道子、伊藤比呂美、坂口恭平。池澤夏樹や谷川俊太郎、町田康らも寄稿するなど、多彩な書き手に引きこまれます。