【収録作品】
「『アルテリ』 創刊以来」渡辺京二
「石牟礼道子、語る」冨崎哲
「石牟礼道で石蹴り」谷川俊太郎
「ぬりえとたしえ」黒田征太郎
「パラレル・ワールドで読書し、献立を考えている。」岡田利規
「家族になる」田尻久子
「ゲイの人生」ゆうた
「畑までの道」坂口恭平
「とりとめもなく」磯あけみ
「私たちの部屋」桂
「鈴虫と箱」島田真佑徒然」 島田有子
「「ヤマコー」と見た幻」浪床敬子
表紙画 黒田征太郎
「アルテリ」記念すべき十号は、新型コロナが蔓延した2020年の夏刊行ということで、「ぬりえとたしえ」や「パラレル・ワールドで読書し、献立を考えている。」など、外出できない時代ゆえの作品もちらほら。
いっぽうで、「結束」や「家族」を感じさせる文章や、石牟礼道子へのインタビュー記録など、充実の内容です。
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熊本の文芸誌「アルテリ」は、昨年12月に亡くなった思想史家・渡辺京二さんの呼びかけにより創刊。
田尻久子さんの営む橙書店が中心となり、現在も編集・出版をつづけています。
「アルテリ」には、ロシア語で「職人の自主的な共同組織」という意味があり、「ものを書くことでしか生きられない人たちをつなぎ、居場所をつくってやりたい」という渡辺さんの思いとともに始まりました。
これまでに関わってきた作家は、石牟礼道子、伊藤比呂美、坂口恭平。池澤夏樹や谷川俊太郎、町田康らも寄稿するなど、多彩な書き手に引きこまれます。