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『アンダイングー病を生きる女たちと生きのびられなかった女たちに捧ぐ抵抗の詩学ー』 アン・ボイヤー/著 西山敦子/訳 里山社刊

残り2点

3,080円

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41歳で乳がんと診断されたアン・ボイヤー。 彼女を待っていたのは、病の症状や死への恐怖だけではありません。 患者にとってあまりに過酷な医療システム。目的を失っているかのような、大企業によるピンクリボン運動のキャンペーン。ネット上にあふれすぎた情報…。 それらに悲痛を感じ、怒りを抱く彼女の問いそのものが綴られた一冊です。 「自分自身についてしか書かないことは、死について書くことかもしれない。けれど死について書くことは、すべての人を書くことなのだ」(プロローグより) 印象ぶかいフレーズはたくさんありましたが、読まれる前のみなさんに届けたい一節です。 この言葉の通り、どこまでも「私の乳がん」が描かれている。 だからこそ、この本は病気であるかないかとか、女であるかどうか、ということに帰結しない。 そこが、この本の力強い魅力です。 私自身読みながら感じていたのは、まぎれもなく混乱でした。 ときに気が動転し、ときに本を閉じ…。 しかし読み終えたとき、その混乱は、ひとりの人として、自分の生をたしかに生きたいがための混乱だ、と感じました。 本来固有のものであるはずの、ひとりひとりにとっての「私」を、世界から取り返すぞとあらがうボイヤーの声は、読み終えてもなお頭の中に響きわたっています。 ぜひ、まずはおそるおそるでも、表紙を開いて、ボイヤーの言葉に出会いに行ってみてくださいね。

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