2011年4月から2013年4月、福島県と三陸地域の景色と人々の写真を掲載した、400ページ以上にわたる写真集。
「自宅の2階に、津波で流された方の遺体が挟まっていました」と語る岩手県釜石市の女性。
友だちとの鬼ごっこの途中で写真に写ってくれた少年。
清掃や除染のために来た作業員の人。
「被災者」「被災地」といった大きな言葉からこぼれ落ちてしまう彼らの姿と言葉。
それらが、ここに鮮明に刻まれていることそのものが、震災から10年以上経った今、私たち読者の心をもう一度揺さぶります。
一人一人としての表情が、ページをめくるたび心の内で積み重なっていく中で、「わたし」というひとの姿もまた、違って見えてくるかもしれません。