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【収録作品】
「短歌」渡辺京二
「父について」山田梨佐
「懼の持続」町田康
「亡き人からの便り/今はいけない二つの場所」池澤夏樹
「読んだかね」伊藤比呂美
「日録⑧」石牟礼道子
「ふたりでひとり」平松洋子
「渡辺京二様 有難うございました」石牟礼道生
「夢も闘争も革命も 渡辺京二さんを悼む」米本浩二
「あの日の激高」松下純一郎
「立葵が咲いていた」磯あけみ
「故郷」坂口恭平
「一本の樹木」髙山文彦
「「バカ娘」からの手紙」大津円
「怖くて優しくてカッコよすぎる人」西泰志
「エクレアといなり寿司」田尻久子
「マイクにゴン」平田洋介
「渡辺京二は何者だったか」浪床敬子
「困った人だった」阿南満昭
「花を奉るの辞」石牟礼道子
表紙画 平松麻
2022年12月に亡くなった思想史家・渡辺京二さんの追悼特集。
真剣に講演をするあまり、何度もマイクに手や額をぶつけてしまう姿。
訪ねていくたび「この本、読んだかね」と挑むように問う姿。
石牟礼道子さんに寄り添い、しずかにお茶を差し出す姿。
そして、家族にしか見せない姿も。
生前、渡辺京二というひとに、ときに叱られ、ときに心配され、ときに本を差し出されたひとびとが、京二さんと過ごした時間を振り返ります。
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熊本の文芸誌「アルテリ」は、昨年12月に亡くなった思想史家・渡辺京二さんの呼びかけにより創刊。
田尻久子さんの営む橙書店が中心となり、現在も編集・出版をつづけています。
「アルテリ」には、ロシア語で「職人の自主的な共同組織」という意味があり、「ものを書くことでしか生きられない人たちをつなぎ、居場所をつくってやりたい」という渡辺さんの思いとともに始まりました。
これまでに関わってきた作家は、石牟礼道子、伊藤比呂美、坂口恭平。池澤夏樹や谷川俊太郎、町田康らも寄稿するなど、多彩な書き手に引きこまれます。