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道浦母都子/歌
角川文化振興財団
少々書き込みあり
「雨音の激しくなりてペンを置くうたよむ心湿りはじめて」
「試着室にとじこめられて秋物のジャケットはおる夏を脱ぎ捨て」
「哀しみはからだとこころの折り合いをつける間もなく差し違うこと」
「テレビ切るやるせなきまま寝転びぬ私にできる何があるのか」
「のどかなる辺野古の海の風に乗りいのち光らせ白蝶が飛ぶ」
ほか、「情緒的な歌集」でありながら「政治の季節を含んだ歌集」としても色濃い、道浦母都子(みちうらもとこ)の第九歌集。