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手塚治虫/著
岩波新書
つまり、生きていたという感慨、生命のありがたさというようなものが、意識しなくても自然に出てしまうのです。そのくらいショックだったわけです。ぼくなりにそれが人生の最大の経験で、これを一生描きつづけようと心に決めたわけではありませんが、とにかく描いているかぎりどうしても出てしまうのです。
(本文より)
いじめられっ子だった小学生時代、漫画や映像と出会い、夢中で絵を描くようになった治少年。その後日本、そして世界が第二次世界大戦の暗雲に包まれていった時代に思春期を過ごし、やがて「手塚治虫」として広く知られるようになるまでの軌跡を、本人の語りで辿ります。ところどころに手塚マンガも登場する、見どころたっぷりの一冊ですよ。