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「誰が自分を あなたに与えてくれた? それ以外 ひとは ひとに何を与えられる?」
(「おばあさまの家に」より)
…という一文ではとてもお伝えしきれませんが、あまりに衝撃を受けてしまったのでこの言葉から始めさせてください。
「狼と叫んだ女の子」、「ヘンゼルとグレーテル」、「ハンプティダンプティ」など、一見童話や民話が語り直されたかのようなタイトルが並ぶ、こちらの本。
しかしその一編一編は、時に生々しく、時に暴力的で、時に無垢なまでにやさしく…とてもひとことで語りえないようなものばかり。長い年月をかけて、何度も読み返したいと思わせる、複雑な魅力があります。
2017年にアメリカで刊行された、『体の贈り物』『家庭の医学』などの作者であるレベッカ・ブラウンの短編集。
2020年絵本として邦訳された「ゼペット」を含め、17編のごく短い作品が収録されています。
柴田元幸/訳
金井冬樹/装画
横山雄/デザイン
※今なら訳者の柴田さんのサイン入りです!