
私は絵を描くことで、初めて世界と関わることができたのかもしれません。
絵を描くまでは何もみえていなかったと思えるくらい、私は絵をとおして、世界をみているように感じます。
だからこそ、もっと世界を見たい、そのためにもっと学びたいと、また次の絵を描くのかもしれません。
ひとつの音が連続して美しいメロディを奏でるように、隣りあう色が新たな景色を生み出すように、季節もまたすべてを受け入れて次の季節へを進んでいく。
明日もまた、私は絵を描いていきます。
(本文より)
愛知県在住の画家・山田雅哉さんが取り組んでいるのは、日本画材である岩絵具などを用いた抽象画。
2023年に「文化フォーラム春日井」で開催された展覧会「エチカ」では、山田さんの初期の具象画から当時の最新作まで公開されました。
こちらは「エチカ」の開催記念図録。
静謐なグレーに包まれた表紙を開けば、みずみずしい筆致で描かれた作品が次々と目に飛び込んできます。