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『じゃむパンの日』赤染晶子 palmbooks(新品)

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「白い街での帰り道、あの心細いブルーはもうなかった。わたしは花屋に寄った。わたしはその頃、部屋に花を飾っていた。それを色のきれいなわたしの故郷の徴(しるし)にしていた。店の奥からはテレビの音がした。試合が始まっていた。店の奥から人の足が見える。わたしはどんなに待っても、店の人は出てこなかった。わたしは朝の青年の姿を思い出した。それは寒い人が毛布にくるまる姿だった。わたしは同じように立ち尽くした。この街の地平線まで続く道をわたしは最後まで歩けなかった」(「異邦人」より) 2010年に『乙女の密告』芥川賞を受賞し、2017年に42歳で急逝した作家・赤染晶子のエッセイ集です。 読んでいてころころと笑ってしまいそうになったかと思えば、次の瞬間には暗闇や静けさにはっと息をのんでしまうような。どこまでが現実でどこまでが虚構なのか。その境界線さえも意識させないような文章だと感じます。 読み終えたときに、もっともっとこの人の作品を読みたかったのに、とちょっと涙が出ました。

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